2012年3月24日土曜日

ルイ・ベロジナス(Ts) / "Live At Tonic"

ルイ・ベロジナス(Louie Belogenis)のライブ盤。
コルトレーンアイラーに強く影響を受けているプレイヤーで、他にも『メディテイションズ』とか『ベルズ』(まんまじゃん・・・)というアルバムを出している。
実はジョン・ゾーンの勉強仲間でもあったらしい。



本作も例外ではなく、アイラーの影響は色濃く感じる。アイラーに捧ぐ"Heavenly Star"という曲もやっていて、途中でゴーストのコード進行やメロディが見え隠れする。
だがしかし、当然ながらアイラーとはよくも悪くも決定的に違うのであって、力技で吹き切る様にはやっぱり興奮させられる。
「アイラー先輩はやっぱスゲーけど、俺は俺だからこう吹いちゃうもんねー。」みたいな、潔さを感じるわけなのだ。
もちろんパワー押し一転倒ではなく、スローナンバー"Spiritual"ではどアタマから男くさいロマンティックな音がブワッと押し寄せ、胸に突き刺さる。

ソプラノソロでは、盛り上がってくるにつれてだんだん音が重なるように聞こえ始め、終いにはなんだかシンセのようになる。
ソロで盛り上がって来たときに、おりゃあとばかりに高音域低音域を跳躍しまくり、倍音使いまくり・・・と吹いていたら自分でも思ってもみなかった音が飛び出したときのような・・・。ソプラノの「飛び道具っぽさ」を存分に使っている。

ただ、ラシッド・アリのドラムは・・・、正直何というか、キレがない。ただでさえ長いソロでも同じようなフレーズが何度も出てきたりするもんだから、やっぱりダレてしまう。
早くベロジナスのテナーを出せ!とばかりに、ドラムソロを早送りしてしまいそうになる。
だが、それをやってみると1曲としては何だか味気ない。テナーが吼えるだけでは緩急が付かないのだろう。
この3人組みがそこまで計算して演奏しているかは知らんが、結局ぶっ通しで聴くことになるのだ。

ともかく熱いテナーが好きな方にはオススメである。


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