ヴィンテージサックスが好きな方はよくご存知のことと思うが、コーン(C.G.CONN)製アルトのネックには『マイクロチューニングデバイス』なる物がついている(ないものもある)。
これは、ネックについているダイヤルを回してネック自体を伸縮させてチューニングするという、驚くべきシステムであった。
(結局この機構を使ったのはコーンだけだったが)
本題はここから。
これまでは、せっかくチューニングデバイスが付いているのに、マウスピースの抜き差しで対応していたが、ふと思い立って
目いっぱいマウスピースを突っ込んだ状態でデバイスをくるくる回してチューニングし、吹いてみた。
鳴る。圧倒的に鳴る。
音に芯が出る感じだ。考えてみれば、そもそも楽器本来の使用方法(?)に従ったほうが良いに決まっているが。
コーンのアルトを持っている方は試してみてはいかが?
ここで少々余談を。
俺はプロでもないし、ましてリペア職人でもないので適当なことは言えないが、せっかくオールドの楽器をもっているのでマーク7のネックと比べてみた。
コーンのネックはデバイス付きであるうえ、本体との接続がダブルソケット式になっているため厚みもあり、普通のネックより重い。
←ダブルソケット式のネック。
接続部分が二重になっている。この隙間が潰れたりするとやっかいなことになる。
計ってみたところ、マーク7のネックは約120グラムだが、コーンは200グラムもある。
吹奏感や音色は口に近い部分ほど大きく影響が出るわけで、通常の1.6倍も重ければ当然パワーが出て抵抗感も大きくなる。
現在の楽器にこんなネックがついていたら、抵抗感が強く反応の遅い楽器になってしまいそうである。
しかし本体管自体は現在の楽器よりも軽く、そもそもの構造も大きく異なる。
このバランスがコーン独特の太い音と抜けのよさにつながっているのではあるまいか・・・。
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