2010年11月18日木曜日

楽しくて悲しいマウスピースのお話

どのマウスピースを使うか


これはサックスプレイヤーにとって、永遠のテーマのひとつであろう。

あの憧れのプロと同じマッピを使えばあんな音が出せるんじゃないか、

というありがちな幻想に突き動かされ、ろくに吹けもしないマッピをまたひとつ買ってしまう。

我々にとっては、ある意味麻薬みたいなものだ。

たとえば、「サンボーンみたいに吹きたい!」
と思って、楽器を始めて1年以内にデュコフのマッピを購入し、

吹いてみたら絶望した笑

という人は相当数いる。

※多くの初心者に道を誤らせるサンボーン




マルサリスになりたくて(爆笑)ガーデラのマッピにヘムケ4半のリードをつけたら
音が出なかった

とか、

ARBメタルを吹いたら虫みたいな音になった
(これは筆者高校生のころ。いまだにトラウマである)


などなど、こういったウソのようなホントの話は枚挙に暇がない。

※ARBといえば、クリス・ハンターでしょう↓



失礼、こんな逆武勇伝はどうでもいいのだ。

で、本題である。

筆者は高校生のころアルトではド定番メイヤー5番を使っていたが、たとえばウッズのような、「パキッ」とした、エッジのある音はぜんぜん出せなかった。
音がモコモコしてしまうのだ。高校のときに比べてアンブシュアがだいぶマシになった今でも似た状況になってしまう。

その理由には以下のようなものがあると考えられる。

① 昔のいわゆるニューヨークメイヤーと現行品とでは、そもそも材質が違う。

当時は環境汚染上等だったので、ラバーのマッピには硫黄が含まれていたらしい(スゲ)。

② そもそも、フィル・ウッズは神である。

神と同じ音を出そうなんて、不敬罪にも程がある。

※神による神がかった(?)演奏。即買いすべき名盤ぞろい。

↑若き日のウッズの超名盤。
これの"Easy Living"のアルトソロがあまりにすばらしく、3,000回は聴いた。



↑amazonに画像がないので、貼っといた。
97年録音なので、比較的ジジイになってからの吹込みだ。表題曲"Chasin' The Bird"はキレがすばらしい演奏なのだが、やってる本人たちも相当白熱してるらしく、曲のアタマと終わりとではテンポが20くらい上がっている笑!


↑レッド・ガーランドとの競演で名高い"Sugan"。
スガンってなんだろうか?まあいいか・・・。


話を戻そう。
まあ、要するにお前の吹き方が悪いのだ、と言われればそれまでだが、まあ若気の至りってことで勘弁してほしい。



ただ、不思議なことがある。

アルトではメイヤーユーザーがもっとも多いのだが、上手い人でも
「パキッ」とエッジの立ったいい音が出せる人と、私のようにモコモコしてしまう人と、明らかに2種類いるような気がするんだこれが。

なぜかはわからない。

しかし、同じことがテナーのド定番オットーリンクでも発生しているように思う。

もしかして、そのマウスピースに合った口腔内の構造みたいなものがあって、できる人できない人が分かれてしまうのであろうか・・・?

もしそうだとすると、私はメイヤーでいくらがんばっても「パキッ」とはいかないのであろうか・・・?

そんな残酷な・・・。



ちなみに、そこらへんの壁をどうしようもなく感じたので、私はハイバッフルのマッピに逃げた笑。

こういう解決方法だってあってもいいかなと。

いかがでしょう?

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